ここまで来たらヤバい!高血糖で起こる異常
血糖値が高いと言っても基準値より少し高い程度や200(mg/dl)、300(mg/dl)くらいでは目立った自覚症状を感じることは稀です。
高血糖で明らかな体調の変化が表れるのが「糖尿病昏睡」「糖尿病ケトアシドーシス」です。
血糖値で言えばだいたい600以上(mg/dl)で起こることが報告されています。
ですのでこれらの症状が表れた場合は相当、重度の糖尿病になっているということになります。
糖尿病ケトアシドーシス【インスリン分泌異常の原因@】
基本的には1型糖尿病で起こる症状ですが、最近では2型糖尿病でも起こることがあります。
いわゆる清涼飲料水の飲みすぎなどで起こるペットボトル症候群です。
発症に至るまでの過程ですが、インスリンが極度に不足したりインスリンの働きを阻害するコルチゾールやアドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えることで血糖値が異常に上昇します。
すると血液中でブドウ糖の代謝ができなくなるので、その代わりとなるエネルギーを脂肪を分解することで作りだします。
この時に一緒にケトン体という物質が作られ血液中にあふれかえることで血液が酸性に傾くケトアシドーシスという状態になります。
糖尿病ケトアシドーシスになり血液中のケトン体が増えると「悪心・吐き気・腹痛」が起こり、糖を尿と一緒に排出しようとしますので多尿になります。
すると体内の電解質が失われるので脱水症状になることがあります。
異常な倦怠感や眩暈で動けなくなることもあり、呼吸も早く浅くなります。
この時の息にはアセトンという物質のせいでフルーツのような甘いにおいがします。
酷い時は意識障害を起こすこともありますので、もし糖尿病ケトアシドーシスになってしまった場合は早急に病院で適切な治療を受けて下さい。
糖尿病ケトアシドーシスの応急処置
糖尿病ケトアシドーシスになってしまったら、まずはお茶やお水を飲んで水分補給をそて下さい。
もしインスリンを処方されている場合は医師の指示を受けていると思いますので必要に応じて摂取して下さい。
指示が無い、指示を忘れてしまっている場合は感で使用してはいけません。
できるだけ早く医師の診察を受けるべき症状なので、自分で病院に行けない場合は救急車を呼んだり、家族の方に病院に連れて行ってもらいましょう。
症状が軽くなっている場合でも念のために病院に行って診察を下さい。
1型糖尿病【インスリン分泌異常の原因A】
生活習慣病と言われている2型糖尿病は高血糖になるとは言っても、ある日急激に血糖値が上昇することは稀です。
「ある日、急に」という場合は『1型糖尿病』や『膵臓癌・膵炎』を疑う必要があります。
1型糖尿病は何らかの原因で膵臓のβ細胞が壊れてしまいインスリンの生成や十分な量を分泌できなくなってしまう糖尿病です。
子供や若い人で痩せ型の人に多いと言われています。
風邪に似た症状や口渇、多尿、急激にやせてしまうなどの症状が表れるようです。
1型糖尿病はもともとのインスリンの分泌量が少ない、または無いので高血糖になりやすいです。
上で書いた「糖尿病ケトアシドーシス」にもなりやすいので、インスリンを外部から補給してあげる必要があります。
1型糖尿病の場合は水分補給(電解質の補給)とインスリン投与が必要なので早急に病院に行き適切な処置を受けて下さい。
膵臓癌や膵炎【インスリン分泌異常の原因B】
インスリンは膵臓で生成されますが、膵臓癌や膵炎などの病気によってインスリンが作れなくなり、その結果、糖代謝が出来ななることで高血糖になることがあります。
膵炎は上腹部やみぞおちの痛み、膨満感、主に腹部の左上から脇、背部痛を感じることもあります。
そのほかにも吐き気や食欲不振などの症状が表れます。
揚げ物など油分の多いものを食べた時に痛みが増す(表れる)こともあり、アルコールを摂取した時にも症状が表れることがあります。
重症化すると意識障害や激痛、黄疸が表れ目の白い部分や皮膚が黄色ぽく変色したり褐色の濃い尿が出たりします。
膵臓癌も同じような症状なので見分け方が難しいです。
症状の表れ方として急に症状が表れる「急性膵炎」や日を追うごとにゆっくり症状が表れる場合もあります。
膵炎は慢性化することもありますので、日ごろから暴飲暴食をさけアルコールも取り過ぎないようにする必要があります。
また膵臓癌の場合は上記症状に加え、進行すると他臓器への転移しやすい癌なので体のあちこちに不調が表れてきます。
膵臓癌は非常に進行が早い癌で、黄疸などの外部症状が確認できた時点で末期の可能性が高いおそろしい病気です。
最近、急激に血糖値が高くなったことに加え、上記のような症状がある場合は一度検査を受けられることをおすすめします。
糖尿病患者用IDカードでいち早く糖尿病患者と気付いてもらう
重度の高血糖になると意識障害や昏睡状態になることがあり、自分で医療機関に連絡できない場合や上手く状態を伝えられないこともあります。
そういった時に便利なのが「糖尿病患者用IDカード」です。
「日本糖尿病協会」でもらうことができます。
送料を負担すれば送ってもらうことも可能です。
このカードに「住所・氏名・電話番号・かかりつけの医療機関とその連絡先・飲んでいる薬の種類と携帯している場合はどこにあるか、そのほかやってもらいたいこと」などを記載しておきます。
すぐに見つけてもらいやすいように首から下げておいたり、財布などと一緒にしておくことをおすすめします。
特に糖尿病で一人暮らしをされている方や、長時間車を運転することが多い方、出張が多いお仕事に従事されている方は持っておくと第三者や救急隊の方にいち早く糖尿病患者だと気付いてもらえて適切な処置を受けやすくなります。
今は軽度の方でも何度もお話している通り糖尿病はグレーゾーンが長く、いつ症状が悪化するか分かりませんのでお守り代わりにもっておかれても良いと思います。












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